二人は異国を旅しています。冬の旅です。大きな窓のある宿の部屋でなにかを話しています。二人はもう一度ここに来たのです。かつてこの場所に来た記憶を確かめるように。さまざまな役を演じてきたにもかかわらず、すべてはあやふやで、ただ二人で昔旅をしたこの地のことだけが二人には確かなことのように思えたのかもしれません。一度目のこの地への旅を確かめるように二人は再び訪れたこの街のことを話しています。演劇はおそらく「再び」であることと深く関わっていると思います。過去の出来事は常に一度目ではじめてで、一回きりしかありませんでした。それなのにその過去に対して「もう一度」であろうとすることに演劇の面白さがあるのだと思います。 ーーー松田正隆
新宿 SPACE雑遊
2011/3/17(木)~23(水)
料金[税込]=前売[指定席]:3800円/当日自由[ベンチシートの可能性もあります]:3800円
川崎市アートセンターアルテリオ小劇場
2011/3/26(土)~27(日)
料金[全席指定・税込]=前売:3500円・当日:3800円/シニア・学生:3200円[アートセンター前売のみ・要証明書]
※シニアは60歳以上